電着塗装って？

電着塗装ってなに？？？

水溶性の塗料へ被塗物（塗りたい品物）をつけている時に電気を流し、被塗物表面に塗装皮膜を

形成したのちに強制乾燥させて硬化させる塗装方法です。

「カチオン」と「アニオン」の2種類がありますが、昨今の主流は「カチオン」となっています。

色は一般的に[グレー」や「黒」が多いようです。

当社の電着塗装は、カチオン電着塗装（黒）となっています。

電着塗装の特徴として、

①他の塗装方法と比較して耐食性（錆が出づらい）が格段に優れている。

自動車の車体などは、全面に電着塗装が施されています。

綺麗に塗ったボディー色が保たれるのも電着塗装があってこそなのです。

②電気でつける為、塗装膜厚が均一に仕上がり平滑な表面が得られる。

スプレーでラッカーなどを塗るとどうしても色むらが出来やすいですが、電着塗装では

形状による塗装ムラは大変でにくい。

③他の塗装方法と比較して、表面硬度が高い。

強制乾燥の為、塗装皮膜の硬さが比較的硬くキズがつきにくい。

（もちろん、釘などで意図的にキズつければ剥がれます。）

⑤耐光性（太陽の光など）は悪く、長時間の露光で色あせしやすい。

長時間の露光で白く色あせていきます。電着塗装の弱点とも言えます。

しかし、性能的（耐食性など）が落ちる訳ではないので用途によってはあまり気にされていません。

（古い車のワイパーブレードが白っぽく退色しているのを見るのはコレです。）

主に鉄材を想定している為、細かな性能差は出ると思いますが

電気が流れる金属であれば、どんなものでも塗装できます。

鉄材（SS４００やSPC材）、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムやアルミダイキャスト製品などなど。

最近は、何故かステンレスに塗るパターンも多くなってきています。

残念ながら、プラスティック製品や硝子、ゴムなど、電気を通さない、乾燥温度（２００℃程度）で

溶けてしまう素材には塗ることは出来ません。

工業的にはさび止め（腐食防止）として。

又、脱脂、さび止めが同時に出来るため、カラー塗装の下塗りとして。

意匠的には、均一な黒色塗装を滑らかに施せます。

趣味の分野では、古い車のエンジンカバーや、ホイルカバーなどの実績があります。

一般に、塩水噴霧試験というテストで耐食性を測ります。

いろいろなメーカーの独自基準（社内基準）があるようですが

当社では、ホンダのHES規格を標準にしています。

当社における電着塗装は、自動車メーカーの厳しいスペックを十分クリアしています。